【でゅーでりじぇりえんす「DD(Due Diligence)」って何?】
この記事を読んでわかること!!
◆でゅーでりじぇりえんす「DD(Due Diligence)」とは何か?の基礎が分かります◆
はじめに
この記事に興味を持っていただいた方は、Due Diligenceという言葉を最近耳にした、興味を持ったという方が多いでしょう。
そこでこの記事では、社会保険労務士である筆者がDDとは何かについて簡単に説明いたします。
1,Due Dilligenceとは?
Due Diligenceとは、直訳したDue(正当・然るべき・支払わなければなけない)と、Diligence(勤勉・精励・継続的な努力)を掛け合わせ、「企業が当然に行わなければならない努力」という意味になります。
その為DD(DueDiligence)とは、買収、統合、などM&Aの前段階のフェーズにおいて、企業が当然に支払わなければならない、調査・努力の事を指します。具体的には、買収対象の企業の実態BSや簿外債務、各種法律違反がないか?など、企業価値の低下となるような項目を事前に調査せよというスタンスを取っています。
2,どのような領域に対してDDが必要なのか?
上記の説明の通りDDにおいて、M&Aの実行フェーズに入る前に、正確に買収対象の企業価値を調査する必要があります。調査の対象領域として、「財務/税務・IT・法務・人事・事業・その他」があります。
これらは、企業の価値に直接影響を及ぼすものや、買収後のPMI(Post Merger integration)において、M&Aを成功に導くために重要な要素が含まれます。
※PMIとは、M&A後の統合プロセスを指します。 経営統合や業務統合、意識統合などの3段階に分けられます。
3,M&Aについて
M&Aについてはすでにご存じの方がほとんどかと思いますが、Mergers and Acquisitionsの略です。(合併と買収が和訳となります。)M&Aによって、(企業の合併・事業譲渡・会社分割・株式譲渡等)が行われる際にその狙いやスキームによって、買収先にとっても債務や労働者の受入れなどの検討項目が変動していきます。
過去にニュースで見ていた大手企業が戦略的に取り入れている印象のあったM&Aは、今や中小規模の事業者にとっても選択可能な経営戦略の一つとして考えられております。
4,中小企業のDD
近年の傾向から、後継者不足やExit戦略としてM&Aを実施する中小企業も増えてきております。買収する際には対象企業の企業価値を調査し、売却する際には、自社の社内整備を事前に行い、少しでも高い価値での売却を目指します。
しかし、大手企業の様にDDに費用も時間も多くをかけられない中小企業では、売買後に想定していなかった負債を抱えてしまうことや、PMIの組織統合時に悲惨な結果となってしまう要因が多く顕在しております。
中小企業のDDの実施は、費用を抑えながら、的確に必要な範囲に絞り実施していくことが望まれます。
5,最後に
中小企業で必要なDDには、事業DD、財務/税務DDそして人事DD、法務DDなど多岐にわたります。
その中で、法務DDの内労務DD(就業規則や、未払い残業、統合後に必要となる障害者雇用の採用人数やその他)や、人事評価制度の統合における人事DDや、事業DD、管理会計におけるBSの実態バランス(財務DD)などを実施する必要があります。
昨今の多様な働き方や、コンプライアンス意識の向上、増加していくM&A件数に比例し、企業のDDの必要性が増加しております。